■映像
■レジュメ
第64回法人税法第2問租税公課
実務力を試す芸術的問いに感動しました。
租税公課が得点源と言っているようでは一生解明できない問いです。
■【資料2】未払法人税等を空欄にしている
■【資料4】作成途中とされた別表五(二)
■中間法人県民税納付額412,800円に隠されたヒント
これを読み取って読解力、検証力を駆使し適正な申告書を作成していくのです。
【資料4】
作成途中と書いてあることを読み取れば、別表五(二)も作成途中だということがわかります。
作成途中=完成していない=あってない
ということです。
あっていない資料で調整してはいけないのです。
税引前利益が 102,466,100円も読み取るべきです。
・当期純利益 79,506,100円
・納税充当金 17,750,000円
・中間納付額 5,210,000円
(計102,466,100円)
大きな減算項目が想定されない以上
40,000,000円くらいの税金が必要となります。
現処理では
・中間納付額 5,210,000円
・納税充当金 17,750,000円
(計22,960,000円)
納税充当金の少なさもわかるでしょう。だからこそ作成途中なのです。
これが検証力で大切な力なのです。
第62回にも前期の状況から状況をくみ取る租税公課の問題が出題されています。
租税公課が得点源だったことは最近の本試験ではないのです。
中間納付額の法人事業税1,770,000円を見て別表5(2)の事業税の取崩額3,554,000円を見て約2倍の関係だと捉えられる数的感覚も税理士実務には必要です。
前期の見積額が当期の中間の約2倍だということは前期は中間納付はなかったと読み取る力も必要です。
ここまで解明と検証をかけて
■法人税 2,064,000円×2=4,128,000円
■法人事業税 1,770,000円×2=3,540,000円
■法人県民税 412,800円×2= 825,600円
■法人市民税 963,200円×2=1,926,400円
次に
■復興特別法人税ですが
4,128,000円×10%=412,800円です。
なんと法人県民税と同一数値。作問者のヒントです。
上記金額を合計すると11,099,200円ではなく10,832,800円です。
差額266,400円は余剰取崩と判断すべきでしょう。
【資料2】の前期の未払法人税等を空欄にしているのもそこに気づいて欲しい意思表示です。
納税充当金支出事業税等は、3,554,000円ではなく
3,540,000円+266,400円の3,806,400円です。
取崩額は
法人税額等は
4,128,000+412,800+825,600+1,926,400=7,292,800円(7,545,200円より修正)
事業税は
3,540,000円(3,554,000円より修正)
余剰取崩
266,400円
損金経理をした納税充当金も追加計上の必要性を指摘すべきだと思います。
税額がいくらになるか
そこに向けてズレていた場合、処理に間違いがないかをすぐに検証していく力はを試した問題であり計算知識を試した問題ではないのです。
正しい検証力や数的感覚を持つ税理士像を想定し作成された問題です。
そこを真剣に作問している芸術だと思いました。
他の問題も上記のような感性で全問題作られています。
追々解説していきます。